ホスピスってどんなところ?|費用や入居の流れについて

「痛みや苦痛をやわらげて穏やかな最期を迎えたい。」
「でもホスピスってどんなところかわからない。」
という方のために、ホスピスについてわかりやすくまとめました。

ホスピスは緩和ケアを行う施設です

ホスピスは、主に末期がんの患者さんに対して、苦痛を緩和することを目的とした施設です。
抗がん剤などを投与する治療や延命を目的としたケアではなく、痛みや苦しみをやわらげる「緩和ケア」をおこないます。
つまり、これ以上積極的な治療を行わないことを決めた人が入居する施設です。

ホスピスでの主な治療は緩和ケア

緩和ケアとは、抗がん剤治療や手術などの積極的なガン治療とは違い、身体的・精神的な苦痛をやわらげるためのケアです。
麻酔で病気による身体の痛みをやわらげる措置がとられたりすることが多いです。
また患者さんだけでなく、ご家族の心の問題にも時間をかけて向き合ってくれます。

他の患者さんに影響がない範囲で、民間療法をおこなってもよいとしている施設もあります。
患者さんの苦痛を緩和することが目的なので、患者さんの希望があれば家族や本人の管理下でおこなってもよい、としているのですね。

病院内、病院敷地内、独立しているタイプがあります

ホスピスは大きく分けて3種類あります。

  1. 一般の病院内に緩和ケア病棟がある場合
  2. 病院の敷地内にある独立した病棟で緩和ケアを提供する場合
  3. 完全に独立した建物で、緩和ケアを専門に提供する場合

施設によって24時間面会が可能だったり、ペットの連れ込みが可能だったり、家族が宿泊できたりする場合もあります。
どのような場所で過ごしたいか、自宅からの距離はどのくらいかなどを考えて選ぶとよいですね。

入居の流れと生活

入居までの流れは、ホスピスによって異なります。
基本的にご家族や患者さん本人が申し込みますが、担当のケアマネジャーがいる場合はケアマネジャーに相談することもできます。

すぐに入居できない場合があります

病床がいっぱいですぐに入居できない施設も多く、1ヶ月〜数ヶ月待つ場合もあるようです。
電話相談を受け付けている施設も多いので、まずは検討している施設に電話してみるのがおすすめです。

ホスピスでの1日

ホスピス入居後の生活は施設によって異なりますが、自由度の高いところが多いです。

就寝時間や起床時間に決まりがないところも多く、自由に患者さんのペースで生活することができます。
飲酒が許可されている施設もあり、できるだけ自分らしく過ごせるよう配慮されています。

入居後の生活をイメージするためにも、事前に施設を見学してみることをおすすめします。

入居費用は健康保険が適応されます

ホスピスへの入居は、一般病棟へ入院するのと同様で、各種健康保険が適用されます。
70歳以上の方の自己負担は1ヶ月あたり44,400円、70歳未満の方は、3割負担で約444,000円になります。
このほかに、食事代が1食平均360円になります。
また無料個室を用意している施設もありますが、差額ベッド代が別途かかる場合があります。

高額療養費制度・限度額適用認定証の利用を

このように医療費が高額になりそうな場合は、「高額療養費制度」を利用することで、自己負担限度額を超えた分のお金がもどってきます。
「高額療養費制度」は、かかった医療費を保険会社に申請すると限度額を超えたお金が戻ってくる制度です。
ただし、いったんまとまった金額を支払う必要があります。
あらかじめ「限度額適用認定証」を取得して施設に提出しておくと、支払い時に限度額までの金額で済みます。
具体的な自己負担限度額は所得や年齢、入っている健康保険の種類よって異なります。各健康保険窓口で確認してみましょう。
こちらの記事も参考にしてくださいね。

よく話し合ってから入居を決めましょう

残りの時間を自分らしく生きるために、様々な痛みや苦しみをやわらげる措置をしてくれるのがホスピスです。
「積極的な治療をするかどうか」という点が、通常の病院と大きく異なります。

抗がん剤治療を続けるのか、緩和ケアに集中するのか、ご家族でよく話し合って入居を決めましょう。