たくさんの注意喚起がおこなわれているにもかかわらず、まだまだ被害が多い架空請求。
今回の記事では、被害にあわないために知っておきたいポイントと、巧妙な落とし穴を紹介していきます。
架空請求とは?
架空請求とは、実際には購入していない商品やサービスの請求をおこない、料金を支払わせてお金をだまし取る詐欺行為のことです。
- Eメールに、登録していない動画配信サービスの料金請求が届いた
- 利用した覚えのないお店から、最終支払督促のハガキが届いた
- インターネットをしていたら、いつの間にか会員登録が完了して利用料金を請求された
など、その手口や経路は様々です。
①急を要することほど、落ち着いて考える
利用した覚えのない請求にお金を払ってしまうなんて、自分は絶対大丈夫!と思う方も注意が必要です。
架空請求は、ターゲットを冷静に考えさせなくするような、様々な巧妙な仕掛けが施されています。
- 差出人が「〇〇省〇〇局」など公的機関の名前になっている
- 「訴訟最終告知」などの極端な通知
- 「支払いに応じないと家や会社に行く」などの脅し文句が書かれている
このような記載があると「早く何とかしなきゃ・・・」と気持ちが焦ってしまいます。
ここで、指示されるままに行動してしまっては架空請求業者の思うつぼです。
まずは冷静に対処できるよう、気持ちを落ち着かせることが大切です。
②架空請求を見分けるチェックポイント
私たちは日常的にたくさんの買い物をしたり、インターネットのサービスを利用したりしています。
ですから実際に通知が届くと、架空請求を疑いつつも「もしかしたらアレのことかもしれない・・・」と何となく心当たりが生まれ、無視することが難しくなるのです。
請求の真偽を見分けるポイントを確認しましょう。
- 差出人が本当に存在するか
- 差出人の住所・連絡先は正しいか
- 請求項目が具体的か
1.まず差出人が実在するかどうか確認しましょう。
「〇〇債権回収センター」「〇〇法律事務所」など、もっともらしい名前が書いてあることがありますが、インターネットなどで調べて存在しないことがわかれば架空請求で間違いありません。
架空請求業者の情報が一覧として公開されているサイトもありますので、確認してみると良いでしょう。
※「架空請求事業者一覧」に掲載されていない事業者だからといって、安心しないようにしましょう。
2.差出人の住所・連絡先は正しいか
一方、実在する企業名や団体名などが差出人になっている場合は、請求に記載されている連絡先や住所が本物と同じかどうか確認してみましょう。異なっていれば架空請求の可能性が高いです。
もし不安なら、公式サイトに記載されている連絡先に問い合わせてみるのも良いでしょう。
ハガキに記載された連絡先にコンタクトを取るのは危険ですが、公式サイトの連絡先に問い合わせをすることも架空請求を見破るためには効果的でしょう。
3.請求項目が具体的か
また、請求品目・名目があいまいな場合も架空請求の疑いがあります。
架空請求の場合、ターゲットに対して利用した覚えがあるように思わせるため、
- WEBサービス利用料金
- コンテンツ購入代金
といったように、請求項目があいまいに記載されているケースが多いのです。
したがって、請求項目に具体的な商品名・サービス名、金額の内訳が記載されていないものは「もしかして架空請求かもしれない」と疑った方が良いでしょう。
③不安な時は1人で抱え込まないようにしましょう
架空請求に対しては、冷静に対処することが大切です。
不安な時は一人で抱え込まずに、警察や消費者相談窓口に相談するようにしましょう。
専門家に相談することが、もっとも安心できる対処方法となります。
- 警察相談専用電話:9110
- 消費者ホットライン:188
落とし穴!ハガキに記載されている電話番号には電話しない!
架空請求のハガキに記載されている番号は偽物の場合がほとんどです。
電話口で弁護士を名乗る人がもっともらしい請求内容を話してきたり、「急がないと裁判になる」等の脅し文句で恐怖を煽ってきます。
そうなるとさらに冷静さを欠いて、「大ごとになる前にすぐ解決したい!」という心理が働いてしまい、お金を騙し取られてしまうのです。
また架空請求の目的には、個人情報を獲得することも含まれています。
こちらからアクションを起こしてしまうと、「架空請求に応じやすい連絡先」として相手に認識されてしまい、その情報がリストとして多数の違法業者の間で売買・共有されてしまう恐れがあるのです。
もしかして架空請求!?と思って冷静に確認を
全国の消費生活センターには、非常にたくさんの架空請求に関する相談が寄せられています。
2017年の相談件数は全国で19万9,537件にも上りました。
1ヶ月平均で約1,660件の相談が寄せられていることになります。
一人ひとりが被害を防ぐ意識をもつことが大切ですね。