国民年金保険料が払えないときは「免除」「猶予」の手続きをしましょう

国民年金の保険料は、毎月納めなければなりません。
しかし、災害や失業などさまざまな理由で保険料を納めることが難しくなってしまったら……そんなとき、保険料を免除されたり、納付を待ってもらえたりする制度があることはご存知ですか?
国民年金の保険料免除・納付猶予制度についてやさしくまとめました。

未納のままにしないことがあなたの年金を守ります

国民年金保険料を払えないからといって、そのままにしておくことはおすすめできません。
国民年金の未納には多くのデメリットがあります。

  • もらえる年金が少なくなる
  • 年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)がもらえないおそれがある
  • あとで納付しようとしても過去2年分(平成30年9月30日までは5年分)しか納められない
  • 「督促状」「特別催告状」が届いて不安やイライラが募る
  • 延滞金がついてさらに納付が難しくなる など

厚生労働省の調査結果をみる限り、免除の基準を満たしているのに手続きをしていない人もいるかもしれません。
「払わなきゃと思っていたのに、いつの間にか時間が過ぎてしまった」となる前に、お住まいの市区町村の年金窓口へ「免除」「猶予」の相談に行きましょう。

保険料免除制度・納付猶予制度とは

保険料免除制度は、年金額に反映される

保険料免除制度は、収入の状況によって「全額」「4分の3」「半額」「4分の1」の保険料が免除される制度です。

全額免除の場合、保険料を納めていない状態でも、普通に納付する金額の2分の1(国庫負担による)が年金額に反映されます。
4分の1納付の場合は「5/8」、2分の1納付の場合は「6/8」、4分の3納付の場合は「7/8」が年金額に反映します(※21年4月分以降の場合)。

20歳から60歳までの40年間きちんと納付していた場合、年金受給額は年間約80万円になります。
20年未納期間があると、受給額は年間約40万円になってしまいます。
ところが、その20年が全額免除期間であった場合は、受給額は約60万円。
半額納付なら約70万円にもなるのです。
未納と免除では、受け取れる年金に大きな差が生まれることがわかりますね。

申請ができる人は

  • 前年の所得(収入)が少ない人(本人、配偶者、世帯主の全員の所得が一定の基準以下)
  • 失業、倒産、事業の廃止、天災などにあった人
  • 障害年金を受けている人や生活保護法による生活扶助を受けている人
  • 特別障害給付金を受けている人

納付猶予は、納付を延期できる

いっぽう納付猶予制度は、納付が猶予される制度です。

猶予期間中は保険料を納付しなくても「未納」にはなりません。
猶予期間が終わり、経済的に余裕ができたら保険料を納めることになります。
納めることができなかった場合、未納と同様に年金額は減ってしまいますが「猶予期間は受給資格期間に含まれる」という点が未納と異なります(下記参照)。

申請ができる人は

  • 50歳未満の第1号被保険者である人
  • 申請者本人・配偶者の所得が一定の基準以下の人(全額免除基準と同額です。)
MEMO
※学生の方は「学生納付特例制度」が利用できます。
※配偶者から暴力を受けた方は「特例免除」が利用できます。

受給資格期間の心配をしなくてすみます

老齢年金を受け取るためには、保険料の納付済期間(国民年金、厚生年金保険、共済組合等含む)と国民年金の保険料免除期間などを合わせた「資格期間」が10年以上必要です。
つまり、保険料を納めた期間が10年以上ないと年金は受給できない、ということです。
長期にわたって未納の状態が続けば、いざ年金をもらえる年齢になっても受給資格がない、ということになりかねません。

保険料免除や納付猶予を受けている期間は受給資格期間に含まれるため、保険料が納められない状態でも年金がもらえなくなる心配をせずにすむのです。

期間をさかのぼって申請できます

年金を払えない期間がある程度過ぎてしまっていても、申請書が受理された月から2年1ヶ月前までさかのぼって手続きできます(学生納付特例制度も同じです)。
たとえば半年未納が続いてしまっても、免除や猶予が認められればその半年は未納期間ではなくなります。

障害年金や遺族年金の受給にも影響があります

怪我、病気、障害、死亡など、不慮の事態が起きた場合に受け取る障害年金や遺族年金も、受給するためには「保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が3分の2以上あること」あるいは「初診日(遺族年金の場合は死亡した日)の前々月における直近1年間に未納期間がないこと」が必要です。
不慮の事故や病気が発生してから申請を行っても、障害基礎年金の受給資格要件には算入されません
自分そして家族のためにも、未納期間はできるだけなくすようにしたいですね。

できればしたい「追納」

免除や猶予を受けていた分の保険料は、過去10年分までは後から納めることができます。
これを「追納」といいます。
たとえば半額免除の場合も、免除されていた半分の保険料を納めることで受給額を増やすことができるので、経済的に余裕ができたら追納したほうがよいでしょう。

未納の場合は「後納」

未納であった場合も、原則として過去2年分まで納めることができます。
こちらは「後納」といいます。
なお平成30年9月30日までは、特例として過去5年分までの未払いを納めることができます
納め忘れがある人は手続きをしましょう。
(なお平成30年9月30日は日曜日ですので、実質は9月28日までの手続きが必要なのでご注意ください。)

注意
いずれも納付の申出をした年度から3年度より前の期間は、一定の金額が加算されます。

申請はお住まいの市区町村の担当窓口へ

保険料免除や納付猶予の申請は、お住まいの市区町村の国民年金担当窓口でおこないます。
申請書は役所や年金事務所で手に入るほか、日本年金機構のホームページからダウンロードすることもできます。
また、年金手帳または基礎年金番号通知書のほか、申請の理由によってさまざまな提出書類があります。
郵送による提出もできますが、書き方や書類の不備が心配な場合は、窓口で相談しながら提出したほうが安心です。

申請が済むと、2~3ヶ月後に日本年金機構から審査結果が送られてきます。

保険料の支払いに未納があると、いつかは払う気持ちがあっても、後ろめたさもあってそのままにしてしまいがちです。
不安な気持ちを抱えたままにせず、思い切って窓口で相談してみましょう。