法改正(2021年4月1日施行)により、65歳までの雇用義務化、70歳まで就業機会を確保の努力義務化など、高年齢者の活躍の場が増えています。
一方、地域への貢献や仕事をしたいと思いながらも、めぐり合わせがなく、家の中で余生を送る方が多いのも事実です。
ここでは、シルバー人材センターについて解説します。
シルバー人材センターとは
シルバー人材センターは、働くことを通して高齢者が生きがいを見出し、 地域社会に貢献することを目的に、高齢者に働く場を提供しています。
原則として市区町村単位に置かれ、それぞれ独立した運営をしています。
シルバー人材センターの会員は約70万人で、日本の60歳以上の人口の約2%を占めています。平均年齢は74歳。
仕事の受注件数は1年間に330万件にのぼります。
(全国シルバー人材センター事業協会:シルバー人材センター事業の概要2021より)
仕事をしたい方(会員)のメリット
- 会員の希望や経験、能力などに応じた働き方ができる。
- 豊富な知識や経験、技能を活かすことができる。
- 技能や技術を高めるための講習を無料で受講できる。
- ボランティア活動やサークル活動などにも参加できる。
仕事を頼みたい方(事業者・個人)のメリット
(請負・委任契約の場合)
- 必要な時だけ、必要な量の仕事を依頼できる。
- 煩雑な雇用関係が生じない。(万一のケガの場合はセンターが加入する保険で対応)
- 申込みが簡単。求人票の提出も不要。
- 営利を目的としないので、比較的単価が安く、予算が少なくすむ。
2種類の就業形態があります
シルバー人材センターでできる仕事は、一般家庭・企業・自治体などから依頼されます。
以前は庭木の手入れ、除草・清掃の業務が中心というイメージがありましたが、最近では事務系の職種の拡大、女性会員の増加によりイメージも変わりつつあります。

仕事をするには・仕事を頼むには
シルバー人材センターで仕事を紹介してもらいたい人は、各センターで入会手続きをする必要があります。
また、仕事を頼みたい場合も、センターへ申し込みをします。
主な流れは次の通りです。

くわしくは、お近くのシルバー人材センターへお問い合わせください。
働き方・人材確保の選択肢として
以前から生活費を目的に仕事を求める人はハローワーク、生きがいを重視する人はシルバー人材センターという漠然とした「すみ分け」がありました。
ただ、近年の時代背景により、高齢者がハローワークで仕事を見つけるのは現役世代に比べて難しいのも事実です。
定年後に仕事や地域貢献をしたい方、ちょっとした仕事を頼みたい方は「シルバー人材センター」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。