派遣社員という働き方

派遣社員とは「雇用契約を結んだ企業とは別の企業で働く労働者」のことです。
ここでは、派遣の種類やその仕組みなどについて解説します。

派遣元企業(派遣会社)と契約し、派遣先企業で働く

派遣社員は「臨時的・一時的な労働力の調整のため」という考え方により、次のような雇用形態になっています。
ただ、正社員を派遣社員に置き替えてしまうことを防ぎ、派遣社員の雇用安定性向上やキャリアアップを図るため、労働者派遣法も改正されてきました。

派遣元との関係は大きく3つ

派遣社員には主に3つのタイプがあります。

登録型派遣(有期雇用派遣)

派遣元企業に登録し、ニーズに合った派遣先企業が見つかった場合に、派遣元企業と契約を結び、派遣先で働きます。
あらかじめ決められた期間のみ働き、派遣期間が終わると派遣元企業との契約も終了します(または登録関係のみ)。
一般的に「派遣労働」といえば、このケースをさす場合が多いです。

常用型派遣(無期雇用派遣)

派遣元会社と期限の定めのない契約を結ぶ、という働き方です。
派遣期間が終了して、次の派遣先の仕事がスタートするまでの間も給料が発生します。
その間は待機あるいは派遣会社で働くなど、就職先の派遣会社によりさまざまです。
派遣会社に採用されることが条件ですので登録型と比べるとハードルは上がりますが、生活は安定します。
また、「3年ルール」の制限(後述)を受けずに、同じ職場で就業を継続できることが特徴です。

紹介予定派遣

派遣先企業が派遣労働者を正社員として雇うことを前提とした派遣方法です。
ただし、派遣先企業は直接雇用を義務付けられているわけではありません。
派遣労働者も雇用を拒むことができます。
双方が合意したとき、派遣先企業に正社員として入社します。
派遣でしばらく働いて(働かせて)みて、よさそうだったら正社員として就職(雇う)、という感じです。

登録型派遣の上限ルール(3年ルール)とは

登録型派遣(有期雇用)の場合、同じ事業所の同じ部署で働けるのは最大で3年までと決まっています。(3年ルール)
3年の派遣期間が終了したら、派遣元は下記の雇用安定措置(雇用を安定させるための待遇改善)をしなければなりません。(派遣期間が1年以上3年未満の方に対しては努力義務)

  1. 派遣先への直接雇用の依頼
  2. 新たな派遣先の提供 (能力、経験等に照らして合理的なものに限る)
  3. 派遣元での派遣労働者以外としての無期雇用
  4. その他安定した雇用継続を図るために必要な措置(教育訓練、紹介予定派遣など)

※ ①を実施した場合に、直接雇用されなかったときは、②から④までのいずれかを実施。

常用型派遣(無期雇用)に変更した場合は適用外

常用型派遣の場合は3年ルールが適用されなくなりますので、派遣元の判断で同じ派遣先に就業し続けることができます。
このため、多くの派遣会社では、同じ職場で継続就業させることを目的として、派遣社員としての無期雇用化をしている場合が多いです。(雇用安定措置としては、②の「新たな派遣先の提供」に分類されます)


派遣で働いている方、働きたいと思っている方は、派遣先企業の選択だけでなく、契約内容やキャリアアップの機会、労働条件の遵守などにも注目してみてください。