家族のための「葬儀後の手続き」

大切な方を亡くされたご遺族は、深い悲しみの中でも、さまざまな手続きをする必要があります。
デジタル庁と地方自治体が共同で、その手続きを簡略化する「死亡・相続ワンストップサービス」に取り組んでいますが、実現はもう少し先になりそうです。
当面はご遺族本人がこの大変な作業をおこなうことになります。
ここでは、手続きの大きな流れ、提出先ごとの手続き、スムーズに手続きが行えるポイントなどをまとめました。

手続きの大きな流れ

亡くなった方や遺族の置かれた状況によってさまざまですが、一般的な大きな流れは、下記のとおり「死亡に関する手続き」と「相続に関する手続き」の二つがあります。

提出先と手続き

前表の各段階における、提出先とその手続きを表にまとめました。

どんな保険に入っていたかわからないときは

故人がどういう保険に入っていたかわからない場合、一般社団法人生命保険協会が実施している「生命保険契約照会制度」を利用するとよいでしょう。
国内の生命保険会社に照会して契約の有無を確認できます。
利用料は1件につき3,000円(税込)です。

相続手続きに使える「法定相続情報証明制度」

金融機関などで手続きをする場合、法定相続人を証明するために故人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍を用意しなければなりません。
1セットしか用意していなければ、複数の金融機関での手続きでは提出⇒返却⇒次の金融機関へ…というように時間がかかり、複数用意するにはお金もかかります。
法定相続情報証明制度は、故人の相続人を特定するために用意する戸籍一式のかわりに、「法定相続情報一覧図」を使うことで各種手続きをスムーズにするための制度です。
戸籍一式を一度集めて法定相続人を記した一覧図を作成すれば、法務局で何枚でも無料で一覧図を発行してくれます。

手続きをスムーズに行うためのポイント

  • 手続きに関するチェックリストを作って管理
    手続きに必要な書類、提出先、期限などを記入し、必要書類、期限などを管理をしましょう。
  • 業者に対する質問をまとめてみる
    「これはどうすれば良いのか分からない」と思ったことは、とりあえずリストアップし、まとめて疑問点を解決できるようにするとよいでしょう。
    質問先として行政機関や銀行の他、死亡手続きに関する専門家が無料相談窓口を設けているケースが多いので、まずは問合せしてみましょう。
  • 手続きに関する書類のファイリング
    手続きの数が多いということは、それだけ書類の数も多いです。
    書類を紛失しないように、早めに専用のファイルを用意しましょう。
  • 信頼できる代行業者を見つける
    「これはもう手が回らない!」と思った時には、代行業者に依頼しましょう。
    緊急を要する葬儀までの手続き(死亡の届出)は葬儀社と相談して分担するとよいでしょう。
    相続に関する手続きで、不動産の名義変更、相続税の納税が必要な場合は司法書士や税理士に相談しましょう。