給付金と職業訓練を受けながら就職をめざす「求職者支援制度」

再就職や転職を目指す方が、安心して求職活動をできる制度があります。
全国で2万人以上が活用(令和2年度実績)している「求職者支援制度」について紹介します。

お金を受け取りながら職業訓練ができる

求職者支援制度は、雇用保険の対象でない方が利用できる制度で、ハローワークで求職活動をしながら、月10万円の生活支援(職業訓練受講給付金)と、無料の職業訓練を受講することができます
給付金の対象でない人も、無料の職業訓練を受講できます

失業手当のない人が対象

求職者支援制度の対象となるのは、雇用保険を受けていない人です。
たとえば、

  • 退職前の職場で雇用保険がなかった
  • 再就職できないまま雇用保険の期間が終了した
  • フリーランス・自営業を廃業した
  • 結婚・出産・介護などで職場を離れてブランクがあり、雇用保険の期間が終了している
  • 今まで働いたことがない

などの方が、安心してできるだけ速やかに就職できるようサポートする制度です。

無料の職業訓練でスキルアップ

職業訓練はさまざまなものがあり、希望する職業に必要なスキルを身につけることができます。

  • 基礎:パソコン操作の基礎やWord、Excelの操作など
  • IT:WEBアプリの開発、プログラミングなど
  • 営業・販売・事務:OA経理事務、営業販売など
  • 医療事務:医療・介護事務、調剤事務など
  • 介護福祉:介護職員研修、保育スタッフ養成など
  • デザイン:DTP、WEBデザインなど
  • その他:3次元CAD、ネイリスト養成など

訓練期間は2カ月~6カ月ほどで、集中して行われます。
平日朝から一日かけてみっちり学ぶスタイルが多いです。
通常、こうした職業訓練・資格取得の学校に通うと数万円~数十万円かかりますが、それが無料(ただしテキスト代等は必要です)で受けられるのはありがたいですね。
お住まいの地域で募集されている訓練については、ハローワークのサイトで検索できます。

どんなコースも自由に受けられるの?

人気のコースは競争率も高いので、必ずしも希望したコースが受けられるわけではありません。
また、いくつものコースを同時または連続で受けることはできませんので、どの職業訓練を受けるかは、ハローワークの職員とも相談してみることをおすすめします。

シフト制で働く人向けの短いコース(2週間から)もあります

新型コロナウイルスの影響を考慮して、令和3年度末までの特例として、給付金の収入要件や出席要件に特例措置が設けられています。
また、働きながら受講しやすい短い期間や時間の訓練コース(2週間から)が設定できるよう、訓練コースの基準にも特例措置が設けられました。くわしくはハローワークでお尋ねください。

訓練受講の要件
  • ハローワークに求職の申込みをしていること
  • 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
  • 労働の意思と能力があること
  • 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと

10万円の給付金で安心して訓練できます

職業訓練を受けている間、職業訓練受講給付金として月10万円(+交通費)が支給されます
生活のために働かなくてはならない、とスキルアップを諦めていた人も安心して訓練に打ち込めますね。

給付の要件
  • 本人収入が月8万円以下
    ※ シフト制で働く方などは月12万円以下 (令和5年3月末までの特例)
  • 世帯全体の収入が月40万円以下(令和5年3月末までの特例)
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
  • 全ての訓練実施日に出席する(やむを得ない理由がある場合も、8割以上出席する)
  • 世帯の中で同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者がいない
  • 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けていない

給付金の対象にならない場合でも、無料の職業訓練を受けることはできます。

まずはハローワークへ

まずはハローワークに求職申込みを行い、求職者支援制度の説明を受けましょう。
ハローワークで相談しながら訓練コースを選び、申込手続きをしてください。