意外と知らない「高額介護サービス費制度」で、かかった介護費がもどってくる。

高額介護サービス費制度は、高額になった介護サービス費を払い戻してくれる制度です。
「介護サービスを利用したいけれど、かかるお金が心配」
「家族の経済的負担を考えて遠慮してしまう」
そんな悩みを軽くしてくれる「高額介護サービス費制度」について、やさしくまとめました。

高額な介護サービス費の一部を支給してくれる制度です

  • どこへ申請する?:加入している介護保険の窓口(市区町村の担当課)へ。
  • いつ申請する?:担当課から、申請書が届いたら。
  • 必要なものは?:申請書、介護保険被保険者証など

「高額介護サービス費制度」は、ひと月に支払った利用者負担額(1割または2割負担分)が上限額を超えたときに、その差額分を支給してくれる制度です。
たとえば70代で年金生活をしている世帯の場合、ひと月に5万円の介護サービス費を負担したら、上限額は37,200円となり12,800円がもどってきます
(年齢や世帯収入などで変わります)

上限額は、年齢や世帯収入で決まります

対象 負担の上限額(月額)
現役並み所得者に相当する方がいる世帯の方 44,000円(世帯)
世帯のどなたかが市区町村民税を課税されている方 37,200円(世帯)
世帯の全員が市区町村民税を課税されていない方 24,600円(世帯)
世帯の全員が市区町村民税を課税されていない方で、
前年の合計所得金額と公的年金収入額の
合計が年間80万円以下の方等
24,600円(世帯)
15,000円(個人)
生活保護を受給している方等 15,000円(個人)

※ 「世帯」とは、住民基本台帳上の世帯員で、介護サービスを利用した方全員の負担の合計の上限額を指し、
「個人」とは、介護サービスを利用したご本人の負担の上限額を指します。
※表はいずれも2017年7月現在。2017年8月分からは金額が変更になります。

上限額を超えた翌月に、市区町村から申請書が送られてきます

介護サービス費の上限額を超えると、市区町村の担当課から「高額介護サービス費制度利用申請書」が郵送されてきます。
還付される金額も書かれていますので、確認して必要事項を記入し、自分の「介護保険被保険者証」を持って、担当課で申請手続きをします。

申請手続きをしないと支給されません

「高額介護サービス費制度」は、申請手続きをしないと支給されません
また、申請手続きをしてから支給までに2~3か月ほどかかりますので、早めに手続きするのがよいでしょう。

高額介護サービス費制度の対象とならないもの

  • 住宅改修費・福祉用具購入費の1割または2割負担分
  • 食費・居住費や、日常生活にかかった費用
  • 介護保険外の自己負担分

については、介護サービス費制度の還付対象になりません。

毎月申請するのが大変な場合

たとえば上限額を超える月が続いた場合、申請書が毎月送られてきます。
その都度手続きに行くのは大変です。還付額が少ない月などは、手続きが面倒に思えるかもしれません。
申請の期限は2年間ありますので、家計の状況や介護サービスの利用状況によって、半年ごとにまとめて申請したり、ご家族の都合にあわせて申請するなどして、無理のない手続きをしましょう。
ただし、「高額療養費・高額介護合算療養費制度」を利用したい場合は8月から1年分の申請がすんでいなければなりません。

  • 1年間の医療費・介護費の一部を支給する「高額介護合算療養費制度」

申請・相談は市区町村の介護保険の窓口へ

必要な手続きや担当窓口は、お住まいの自治体によって異なります。
介護保険施設に入所されている方などに、申請が不要な「受領委任払い」という制度を設けている自治体もあります。
くわしくは、お住まいの市区町村の担当課へ。