保険証をなくしてしまった…病院受診できる?費用は?

保険証を紛失してしまったらできる限り早く再発行することが大切ですが、保険証のない期間中でも病院を受診することができます。
保険証のない状態で受診すると、いくらかかるのでしょうか。
また払い戻してもらうにはどのような手続きが必要なのでしょうか。
くわしくみていきましょう。

保険証がない場合の医療費はいくら?

保険証のない状態で病院を受診した場合、かかる医療費は以下の3パターンです。
どのような対応になるのか、あらかじめ電話で確認しておくといいですね。

  1. 10割を負担する
  2. 自由診療の金額を負担する
  3. 保険適用と同じ割合を負担する

1.10割を負担する

最も基本的なケースです。
普段、病院にかかるときは保険証を提示することで年齢などに応じて負担割合(65歳以下なら3割)を支払いますよね。
しかし保険証を持たずに病院を受診する場合、全額、つまり10割を支払うことになります。

たとえば3割負担の人の医療費が900円であった場合、保険証がないと3,000円を支払うことになります。

2.自由診療の医療費を支払う

通常、保険証を提示した場合は、診療内容ごとに定められた保険点数によって医療費が決定されます。
これは保険診療とよばれ、金額は全国一律です。
一方、保険証を提示しない診療は自由診療という扱いになり、各医院が医療費を自由に設定できるのです。
したがって受診した医院で自由診療が適応された場合、多額の費用がかかります。

3.保険適用と同じ扱いになる

保険証がない場合、基本的には全額負担または自由診療にともなう医療費を支払うことになります。
しかし、かかりつけの病院や診療所の場合は、次回または当月中に保険証を提示する約束で、通常と同じ3割負担で対応してくれることもあります。
これは今までの受診歴から保険証を持っていることがわかっているので、保険適用しても問題ないと判断してくれているのです。
いわば信用払いです。
絶対ではありませんが、保険証がない場合はかかりつけ医で受診した方がよいかもしれませんね。

MEMO

国民健康保険の保険証は、免許証があれば市区町村の担当窓口ですぐに再発行してくれます。無理はいけませんが、再発行してもらってから病院へ行くほうが手続きの手間が少なくて済みます。

全額自己負担した場合の返金方法

医療費を全額負担した場合は、あとで差額を返金してもらうことができます。
方法としては以下の2つです。

  1. 健康保険組合に申請して「療養費」として返金してらう
  2. 受診した病院・診療所で返金してもらう

払い戻しの際はこの2種類のどちらかを選ぶことができます。
受診した病院・診療所で返金してもらうことが多いですが、返金に対応していない場合もあります。
受診時に可能かどうか確認しておくと良いでしょう。

1.健康保険組合に申請する

加入している健康保険組合に申請することで、払い過ぎた負担分を返金してもらえます。
申請時に必要な書類は以下の3点です。

  • 申請書
  • 領収書
  • 診療明細書

申請書

申請書は、社会保険加入者の場合は会社の担当者にもらえるか確認してみましょう。また、公式サイトで申請書を配布している健康保険組合も多いので、気になる方は確認してみてください。
国民健康保険の場合、保険の運営団体は各自治体ですので、申請書は市区役所・町村役場の窓口で入手できます。
この場合、マイナンバーのわかる書類や、印鑑が必要な場合もあるので電話などで確認しておくと良いでしょう。

領収書と診療明細書

どちらも会計のときにいつも渡されると思います。
診療明細書は、傷病名や診療内容が具体的に記載されたものです。
領収書と明細書は必ず取っておくようにしましょう。

2.病院・診療所で払い戻ししてもらう

後日、保険証を提示することで差額を払い戻してくれる場合があります。
保険証・領収書・明細書をもって、病院・薬局に行くだけですから、こちらのほうがおすすめです。

しかし払い戻しは病院の義務ではありませんので、対応できない場合もあるようです。
また病院によっては、1週間以内や1か月以内など払い戻しの期限を定めていることもありますので、診療を受ける前に確認しておきましょう。

払い戻されるのは保険診療分のみ

自由診療で受診した場合は、全額が払い戻されるわけではないので注意してください。

たとえば、保険診療で総額10,000円の診療を、自由診療で15,000円支払った場合、差額の5,000円は払い戻しされません。
対象となるのは保険診療の10,000円なので、3割負担の場合は10,000円の7割である7,000円が払い戻されることになります。

領収書がなくても払い戻しは受けられる?

健康保険組合で返金を受けるか、病院で返金を受けるか、どちらの場合でも領収書が必要となります。

万が一、領収書をなくしてしまった場合、支払額を証明する「領収額証明書」という書類を発行してくれる場合がありますが、手数料がかかります。
金額は病院によって差があり、払い戻し金額を上回ってしまう可能性もあります。

領収書は大事に保管しておきましょう。

薬の負担額は?払い戻しはできる?

診察を受けたあとは処方せんを受け取り、薬局で薬をもらうことになると思います。
薬の代金も保険証がない場合には全額負担になりますが、病院の診療費と同じよう返金してもらうことができます。
加入している健康保険組合(市区町村)か、薬を受け取った薬局で返金をおこないます。

会計時に薬と一緒に渡される、領収書と調剤明細書の原本(保険点数が記載されたもの)が必要になるので、大切に保管しておきましょう。
一部の薬局では返金に対応してない、あるいは返金に期限を設けているところがありますので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

もし健康保険証をなくしてしまったのなら再発行の手続きが必要です。
以下の記事で、具体的な手順や気を付けるべきポイントを解説しています。
ぜひご覧ください。