【専門家コラム】少子高齢化社会で安心して生活を送るために~静岡県袋井市の取り組み~(医師・原野秀之氏)

執筆者
医師 原野 秀之

プロフィール
袋井市理事、袋井市総合健康センター推進担当
袋井市立聖隷袋井市民病院 脳神経外科医
元・袋井市民病院名誉院長、医学博士

少子高齢化とはどういう状態?

現在、日本社会では少子高齢化が大変な問題であると言われております。
少子高齢化とはどのようなことなのか、前もって知っておいたほうが良いと思いますので少し説明しておきます。

まず、高齢化社会は以下のような順序があります。

1)高齢化社会:65歳以上の人口が全人口の7%以上の社会
2)高齢社会:65歳以上の人口が14%以上の社会
3)超高齢社会:65歳以上の人口が21%以上の社会

そのほか知っておいたほうが良い言葉として

4)限界集落:65歳以上の高齢者が50%以上の社会

このような状況になると、自治会活動もうまく回らなくなってきます。
日本の高齢化率は、2018年現在27%を超えており、完全に超高齢社会になっています

もう一つの問題は少子化による人口減少です。
高齢者を支えていく人々が減少して、社会の活動がうまく立ち回らなくなってきています。

このような社会環境で豊かで安心できる生活を保つために、様々な政策が考えられています。
幸い袋井市の高齢化率は23%ほどですが、あと5年もすればいっぺんに高齢化が進むことがわかっています。

保健・医療・介護・福祉と市民をつなぐ「総合健康センター」

こうした背景の下、住民が安心して長寿を全うしていける市をつくるため、静岡県袋井市では「総合健康センター」が作られました。
具体的な活動として、以下の3つのテーマを重点活動にしています。

1)生活習慣病予防
2)ロコモティブシンドローム予防(寝たきり予防)
3)認知症予防

これらの活動をワンストップ(一箇所)で手続きできる施設が、総合健康センターです。
中には袋井市職員、保健師、社会福祉協議会、聖隷福祉事業団等が入っており、医師会等と連携しています。
健康のこと、認知症のこと、福祉施設のこと、困ったことがあれば何でも相談できるように、入り口すぐのところに市職員、社会福祉協議会の職員が机を並べて対応しています。

少子高齢化にそなえて、あなたの住む町ではどのような取り組みがされていますか?
自分のためにも、地域の医療や福祉に関心をもつことは大切なことですね。


参考
袋井市ホームページ袋井市役所